保育所・保育園における食物アレルギーの対応について

給食

どうも、ピン今川(@PImagawa)です。

今日は、保育してる上で、ほぼ避けては通れない問題についてお話させていただきたいと思います。

保育所・保育園における食物アレルギーの対応について

食物アレルギーとは

食物の摂取によりアレルギー症状が出現する場合を食物アレルギーといいます。

アレルギー反応により口唇、口腔粘膜の接触皮膚炎様の症状から気管支喘息、蕁麻疹、胃腸障害を引き起こすものまでいろいろ見られます。
時にはアナフィラキシーショック(血圧低下、顔面蒼白、呼吸困難、意識混濁など生命にかかわる急激な全身の反応)を起こすこともあります。

アナフィラキシーショックについては、下に追記しています。

で、原因となる食物ですが、卵、牛乳、大豆が食物アレルギーの代表ですが、小麦、米を含めて五大食物アレルゲンと呼ばれています。

その他には、ソバや、かに、えび、たこ、いかなどの魚介類、キウイフルーツ、バナナ、柑橘類などの果物、ピーナッツ、アーモンドなどのナッツ類が食物アレルギーを起こす可能性があります。

なお、ソバ、ピーナッツはアナフィラキシーショックを起こす可能性が高い食品です。

子どもと大人では原因となる食品に違いがあり、子どもでは卵、牛乳、乳製品、小麦、甲殻類、魚介類が多く、大人では卵、牛乳が少なく、甲殻類、魚介類、果実が多いです。

また、卵や牛乳の成分から作られている薬剤もアレルギーを起こしやすいと言われています。

で、食物アレルギーの場合、一番多くとられる対策が、『原因食物の除去』です。
原因が確定した場合は、その食物を含むすべての食品を完全に除去する事が必要になります。

ただし、食物除去はかなりの労力を必要とします。
実際うちの保育所でも除去食を行っていますが、給食調理員は毎日ものすごく神経を使いながら調理にあたっています。

また栄養のバランスを欠きやすいので、必要以上の食物除去は行なわない。そして保育所の場合は代替食品などを利用し、栄養を補っています。

しかし、本当に僕が子どもの頃なんかに比べると、食物アレルギーを持ったお子さんが多いな~という印象を受けます。

よく言われるのが、科学物質の存在(インスタント食品の採りすぎ)なんですが、このあたりは研究段階で、いろいろ論議が分かれるようです。

数年前、こんな痛ましい事故があったことを覚えておられるでしょうか?

担任がチーズ入り給食を渡す アレルギーの女児死亡問題

その問題とは
東京の小学校で数年前、チーズなど乳製品にアレルギーがある5年生の女児が給食を食べた後に死亡した問題で、担任の男性教諭が誤ってチーズ入りの食品を女児に渡していたことが、市の教育委員会への取材で分かった。

市教委によると、当日の給食の献立はチーズを含んだ韓国風お好み焼きのチヂミだった。

学校や担任は女児のアレルギーを把握しており、女児にはチーズを抜いたチヂミを提供したが、女児がおかわりを希望した際、担任が間違ってチーズ入りのチヂミを渡してしまった。

と、本当にあってはいけない事故だと思いました。と、同時に他人事ではないな、とも思いました。

僕の勤める保育所でも、実際にアナフィラキシーショックを起こして、病院に搬送した事例があります。

この、亡くなった女の子の場合は小学校だから自衛手段があったと言われる方もいますが、確かに、自衛はできたかも知れません。
しかし、事故が起こった場合、責任を取るのは、当然大人です。それは小学生でも保育園児でも変わりません。

アナフィラキシーショックについて

食物アレルギーの症状のなかで、最も気をつけなければならないのがアナフィラキシーショックです。
短時間で急激に悪化するため、ときに生命を脅かします。

アナフィラキシーショックとしては、下のような症状が起こってきます。

アナフィラキシーショックの症状
・顔色が真っ青になる
・冷や汗が出る
・ぐったりする
・脈拍が弱く、速くなる
・呼吸が浅く、速くなる
・不安、興奮、無関心などの意識状態の異常が現れる

起こった場合の対応としては、速やかに医療機関を受診します。
恐らく救急車を利用することになると思います。

迷うぐらいなら救急車を呼んでください。
僕も保育所で救急車を呼んだことがあります。

受診までの対応
・仰向けに寝かせ、足を少し高くして血液の循環を助ける
・吐いたもので喉がつまらないように、顔を横に向ける
・毛布などで包み、体を温かくする
・アドレナリンの自己注射(エピペン)を打つ

こんな感じになると思います。

自己注射(エピペン)に関しては、預かる・預からないが保育所によって対応がまちまちですが、今は、僕が勤める保育所では、ガイドラインを作成して、預かる体制を整えており、実際に預かっています。

アレルギー食(除去食)の提供

先ほども触れましたが、やはり、保育所でも、除去食を提供しています。アレルギーのお子さんも大変ですが、調理員もまた大変で、

これ、アレルギー食の専用献立表なんですが、こういうのが、日に2~3種類(普通の献立を含め)の給食を作ることが必要とされています。

事故を起こさないように、保育士も、調理員も、もちろん看護師の僕も、給食の時、特に除去食があるときは、気を張って仕事しています!

保育所で誤食事故が起きたため、アレルギー対策として卵と乳製品排除

これも昔あった事例です。

卵と乳製品の使用をやめることを決めた事例
北海道某市は、市内の全保育所の給食で、卵と乳製品の使用をやめることを決めた。
食物アレルギーのある園児に原因となる食材を誤って提供する事故が2件相次いだことに伴う措置で、市は「人為ミスを防げない以上やむを得ない」としている。

ただ、一律に給食から除く対応は異例で、疑問の声もあがっている。

最初の事故は市立保育所で、小麦アレルギーの男児に小麦粉を使ったシチューを提供。
約1時間後、せきや手が赤くなるなどの症状が出て一時入院した。

給食は市保育課の管理栄養士が作成した献立を基に、各保育所内で委託業者の調理員が作る。
食物アレルギーの園児には原因食材を抜いた献立(除去食)を用意することになっているが、このときは小麦粉不使用のシチューを作り忘れた。さらに給食のお盆には原因食材(小麦)を書いた札が張られていたが、確認しなかった。

事故後、市は

1.前日に除去食が必要な子供の名前と除去食材を表にする
2.当日朝に全調理員で表を確認
3.給食をお盆に載せる際に複数の調理員で確認

など新たな対策を決めた。

ところが、次の月には同じ保育所で卵アレルギーの園児4人に、卵を原料に含むハムが入ったおやきを提供し3人が食べていたことが発覚。
卵が微量で症状は出なかったという。
だが、前日に作成した除去食対象者の表を確認せず「ハムを抜いたおやき」を作り忘れたうえ、全調理員による調理後の確認もしていなかった。

給食の食物アレルギーをめぐっては、東京で起こった前述の事故も起きていることから、市は市立2カ所、民間7カ所の全保育所で卵と乳製品を使わないことを決めた。

市保健福祉部の部長は「確認作業の徹底だけでは再発の可能性がある。子どもの命を守ることを最優先に、あらゆる対応をしたい」と話す。

とのことです。

まず、思うことは、間違えたから全部抜くの?とのことです。

確かに、保育所のアレルギーガイドラインには、全か無か(例えば、卵がダメな子がいたら、アレルギーを細かく分別しないで、卵を全部抜いたりする)を書かれていますが、それは、アレルギーを持ったお子さんに対する話であって、アレルギーを持っていない普通の給食を提供できるお子さんに対しては、なぜ関係のないその子たちの分まで抜くの?みたいな感覚があります。

で、市保健福祉の部長さんは「確認作業の徹底だけでは再発の可能性がある。子どもの命を守ることを最優先に、あらゆる対応をしたい」と話しておられますが……。

いやいや、他にできることあるでしょ?

人為的ミスが防げないという「言い訳」をしていますが、完全に確認不足だと思います。
いろいろ徹底しましょうよ。

保育所・保育園で誤食を防ぐには

僕が働いている保育所では、

1.栄養士が献立を立てる
2.栄養士と調理員と担任と看護師(僕です)が集まり、個別に献立表を見てチェックを行う
3.保護者に献立表(個別チェックしたもの)を渡し、確認してもらう
4.朝、朝礼にて職員全員で献立表を確認する
5.調理員が給食を作る際の確認
6.給食を取りに来た職員と調理員が声を掛けながら確認
7.給食を配膳する際、再度献立表を確認する

と、これぐらい、確認をしています。
もちろん、必ず声を掛ける、わからないことはその場で必ず聞くというのも徹底しています。

配膳の際のトレーも、アレルギー食の子は色が全く違います。(通常食:黄色 アレルギー食:ピンク)
コップの色も替え、間違いのないようにしています。

と、これぐらいの確認をしていても、誤食がないとは言い切れません。

しかし、上記某市の自治体では、ここまでの確認をしたのでしょうか?

安易にアレルゲンを抜くことはできますが、その前にできることがきっとあるはずです。

うちの保育所で、同じようにアレルギーのない子にも、卵も牛乳も小麦も大豆も入っていない給食を提供しようものなら、絶対に、絶対に、保護者の方々から反発が出ると思います。

安全第一はわかりますが、保証しなければならない栄養源を抜いてしまうのは、いかがなものかと、本当に思います。

各々考え方は様々ですが、あくまでも、僕も考え方ですので、アレルゲン抜き大歓迎という方も、もちろんいると思います。その考え方も、給食を提供する側からすれば、まぁ、大事故は防げるかなという思いはあると思います。

しかしながら、本当に給食を提供する側が努力をした結果そうなったのか?それとも、努力をしないでそうなったのかでは大きな違いがあると、僕は思います。

おわりに

今のご時世、アレルギー食の提供がなくなること(食物アレルギーを持った子どもがゼロになること)はないと思います。
だからこそ、僕らのような、保育所で給食を提供する側の人間は、間違いを起こさないよう、気を引き締めて仕事しなければならないと思います。

給食

でも、しんどいことばかりではなく、除去食を続けて、除去食解除(もうアレルギー食を提供しなくてもいい状態)になって、その子がアレルギー物質(卵がダメな子なら卵とか)の入った、今までダメだった食品を食べるのを見ていると、嬉しく思ったりすることも多々あります。

みんな元気に過ごせるよう、僕がんばります!

では。

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