僕は保育園保健師が本業ですが、保育士として10年、保育園では20年近く働いています。
そんな僕が、保育園で働く保育士さんに、『この態度はちょっと直した方がいいかな』と思う行動について書いていきたいと思います。
今から書く行動をあらためることによって、より良い保育ができると思いますので参考にしてください。
ちなみに、今から書く態度を子どもの前で取っている保育士を見ると「ああ、この子仕事できなさそうやな」と思ってしまいます。
そして、実際仕事ができません…。
目次
後ろで手(腕)を組んで保育をしている保育士
後ろで手(腕)を組む姿勢は、心理学的に言えば、『自らが高い地位にあることを示すしぐさ』と言われています。また、『私に近づくな』『私に触れるな』という意味も含まれています。
偉い人がよくとっているポーズです。

つまり、子どもに対して、『私の方が偉いのよ』『先生(保育士)は絶対の存在なのよ』という心理が無意識に働いているから、後ろで手(腕)を組んでしまうのだと思います。
後ろで手(腕)を組んでいるとどんな影響があるのか?
そういう心理がないとしても、保育士が手(腕)を後ろで組む行為は、致命的なものがあります。
例えば、子どもが転倒しそうなとき、後ろで手(腕)を組んでいるとどうでしょうか?
助けるタイミングがコンマ何秒遅れますよね?
コンマ何秒遅れれば、助けられるものも助けることができません。
本人にそんな気はなくても、子どもを助ける気が全くありません。
保育士がピンチの子どもを助けないでどうすんねん!と思いますが、事実、後ろで手を組んでいる保育士が、きちんと子どもと向き合って保育をしている職員より、子どものケガの報告をしてくることが多いです。
そんな保育士は、報告自体も遅かったりします。
後ろで腕を組みながらウロウロ子どもを見ている保育士は、実際は『何も見ていません!』
前で腕を組んで保育している保育士
前で腕を組んでいる保育士もよく見かけると思います。
指導者と呼ばれる立場の人がよく取っている姿勢です。
威嚇や権威を主張している状態と言われています。
どっからどう見ても偉そうに見えます。

大人同士で話し合いをしているとき、考え事をするときなどに、腕を組むのは、知恵をひねり出している状態なので、ぜひ前向きな保育のために腕を組んで意見をひねり出してください。
前で腕を組んでいるとどんな影響があるのか?
あかんのは、子どもを園庭で見ているときに、腕を前で組んでいる保育士です。
まず、後ろで腕を組んでいる保育士と同様に、とっさの時に子どもを助けることができません。
コンマ何秒遅れます。
それよりも、偉そうな態度に見えるのは、他から見ても明らかですし、前で腕を組んで、怖い顔をしていたら、それこそ子どもにとっての『威嚇』になります。
威嚇→いかくと読みます。動物が「ウ~!」って牙をむき出しにして怒っている状態のような感じです。
あなたは、子どもに牙をむき出しで保育をしているのですか?
子どもはあなたのことを見ています。

きっと、「怖い先生」だと思われています.
でも、顔が怖いからこそ、前で腕を組んで子どもを威嚇したりせず、なるべく笑顔で接するように心がけています。
怖い先生も保育園には必要ですが、子どもを脅してまで、保育をするようなら、明らかにただの『保育士としての力量不足』です。
子どもに自分の意見を聞いてもらうには、脅しや威嚇は必要ありません。
足を組んで保育している保育士
これも、明らかに見た目が悪いです。
トランプ大統領とメラニア夫人が天皇陛下を謁見された際、足を組んでいる映像があったのを覚えていますか?
僕は「陛下を目の前にして、態度悪いな。」と思いました。
でも、アメリカの方は足を組むのは行儀が悪いことではありませんので、あれでいいのかも知れません。(いろいろ考え方はあると思いますが)

しかし、日本において、人前で足を組む行為は、あまりよろしくない態度だと思います。
例えば、あなたの保育園に新しい保育士さんがスーツをバッチリ着込んで面接に来たとします。
面接の途中、その保育士さんが、足を組みながら受け答えしていたらどう思いますか?
僕が面接官なら、問答無用で落とします。
たとえ人手不足でも落とします。
それが一般常識です。
足を組みながら保育をしているとどんな影響があるのか?
その、一般常識である足を組むという行為。
これも、保育士同士の会議中で、足が疲れたとか、リラックスした意見を出したいなら、全然かまわないと思います。
それで建設的な意見が出せるならそれでいいと僕は思います。
でも、朝のごあいさつの時、子どもを目の前にして、椅子に座って足を組みながら「〇〇くん」「〇〇ちゃん」と点呼を取っていたなら、非常に行儀の悪い状態です。
また、給食の時、子どもが足を組みながら食べていたらどうしますか?
注意しますよね?
あなたが同じように足を組みながら食べていたら、誰かが注意してくれますか?
もし誰も注意してくれないのなら、足を組みながら食事をするのは間違っています。
自分の家なら好きにしてください。
でも、あなたが働いているのは子どもがたくさんいる保育園です。
子どもに「足組んで食べたらあかん!」と注意するなら、あなたも足を組んで食事をしてはいけません。
子どもに注意、というか物事を教える時、保育士は子どもの見本になるべきと僕は思っています。
見本をみせる立場である保育士が、正しくない態度で子どもに接したらどうでしょうか?
見本をまねして、子どもは育ちます。
だから、あなたが足を組んで食べていたら、子どもも足を組んで食べるのが「普通のこと」だと勘違いします。
子どもの見本は大人です。
『親の背を見て子は育つ』と言いますが、うん、その通りだと思います。
なので、いい見本となれるよう、子どもに接する時は、ステキな態度で接することができればいいですね!
保育中、誰も見ていないと思っていませんか?
あと、保育をしているとき、誰にも見られていないと思っていませんか?
僕がこの文章を書けているのは、実際に、このような場面を目撃し、実際に口頭注意をしているからです。
あなたの態度を見ています。後輩がその態度をマネするかも知れません。
「だって先輩がやってるからそれが普通と思っていました」と言われるかも。
普通じゃないですよ。
あと、見ているのは、子どもや同僚だけではありません。
『保護者』が見ています。
本当に、保育士の態度を保護者は見ています。
だから、普段から見られている意識を持って、保育に臨めればいいですね。
その態度、全部保護者に見られていますよ?
後ろで手を組みながら保育をしているのも保護者は見ています。
腕組みしながら鋭い目線で子どもを見ながら保育しているのも保護者は見ています。
もちろん、足を組みながら食事をするのは見ていないかも知れませんが、子どもが家に帰った時に足を組みながら食事をして、「足組みながら食べたらあかん!誰のマネ?」と子どもに尋ねます。
すると、「○○せんせい!」と元気よく答えてくれると思います。
より良い保育をするために、今後あなたがすべきこと
ここまで読んでもらえれば、きっと、明日から、なにか一つでも変えていこうと思って保育に臨めると思いますよ。

ここまで書いた態度を注意や指摘されていないあなた、気づかれているのに言われていないだけなんです。
そう、できていなければ、変えればいいんです!
きっと、いい保育ができるようになります。
あなたのこと、応援しています。
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